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空母「キティホーク」・潜水艦「さちしお」見学 2002.7.29 米軍横須賀基地、海上自衛隊横須賀基地 |
艦船ガイド |
2002年7月29日、午前9時JR横須賀駅。Shadowさんのお知り合いのグループの米海軍および海上自衛隊横須賀基地の見学会に参加させていただくことができました。
海上自衛隊横須賀地方総監部から海上自衛隊のバスで、米海軍横須賀基地へ。テロ事件以来厳しい監視体制のため、入り口ではバス内にレミントン社製と思われるショットガンを肩から下げた迷彩服の警備の兵隊が入ってきました。
一人ずつ身分証明書と事前申請した人物かの確認と手荷物検査を受けるという厳戒態勢でした。実際、参加者の中で、身分証明証を忘れた方は、米軍施設へ入ることを断れてしまいました。結局ゲートで20分くらいかかったでしょうか。そんな緊張感のある中での見学会となりました。
キティホーク CV−63
今回は、通常の入港中に見学に行ったので、キティホークは改修中でした。まあ、艦艇というのは、入港中は塗装作業など各種改修作業をするのが当然ですが。ある意味公開日ではなく、通常の帰港時の様子を見ることができたのは貴重なのかもしれません。はじめて真近に見たその様子は、空母というよりも巨大な建築物の工事現場という雰囲気でした。
ところどころ足場が組まれ、大型クレーンが横付けされ、多数の日本人建設作業員がヘルメットを被り塗装などの作業をしておりました。ところどころで、ロックミュージックがかかっているのとピザ屋さんのデリバリーの車が着ており、ピザや飲み物を売っていたのががアメリカらしいような気がしました。
大型クレーンなどが入り、多数の作業員さんが仕事をしておりました |
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天井に多数あるF/A-18の増槽 |
入り口のプレート「キティホーク」ですね |
ディフレクター 意外と大きい |
カタパルト 手前のフックに航空機をかけます |
機体の移動訓練や消火訓練に使用されるF-14 エンジンがありません |
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ブリッジ |
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ブリッジとその景色 と言っても工事現場みたいですが |
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VF−154ブラックナイツの扉 |
はるか先まで続く通路 |
O'club
昼食は、O'club、Officer's Club、つまり下士官クラブでのステーキでした。二階のバンケットルームのような場所で食べましたが、やはりアメリカ風の大きくてパサパサしたひれステーキと付け合せが巨大なポテトでした。非常にアメリカ風の味付けでした。ご存知のみなさまは、ご想像通りのお味でした。
乾ドック Dry Dock
横須賀基地内には、戦前から使用されている大規模かつ高品質のドライドックがあるそうです。バスの中からの見学でしたが、貴重なものを見せていただきました。戦前の世界最大級の航空母艦「信濃」が進水式を行ったドックなども見学しました。この横須賀の大規模なドックは、戦時中の米軍にとっても貴重だったらしく、戦争終了後の接収を考えて、事前の大規模な空襲などは実施されなかったそうです。
日本で2番めに古い2号ドック |
オブライエンが入ってた4号ドック |
潜水艦「さちしお」
米軍施設から海上自衛隊第二潜水艦隊司令部へ移動します。残念ながら海上自衛隊の潜水艦というのは、まだ艦内の撮影が許可されておりません。
そのためハッチの前でカメラを隊員さんに預けます。甲板にたちますと、特に手すりなどがないため、あのつるっとしたすぐしたが海です。そして、ハッチから降ります。下は、マンホールののぞいたような感じでした。これが4メーターくらいある、ただのはしご。ちょっと降りるのが怖かったです。
艦内は、狭いのですが、狭いなりにスペースを有効活用しておりました。イメージとしては映画「レッドオクトーバーを追え!」や「Uボート」の雰囲気そのままという感じです。まず、艦艇のブリッジに当たる「発令所」で、艦内の全般的な説明を受けます。操舵するコックピットは、航空機と同様なハンドルがふたつ並んだものでした。正面は、外が見えるわけではなく計器類が並ぶだけです。
潜望鏡を見ることが出来ました。右手のハンドルを回すと倍率が変わります。左手を回すを仰角、つまり視界の角度を変えることができます。そして、体ごと回すと映画のように方向が変わります。これも映画同様にカラーで、はっきりと見えます。当然ケラレルような黒い枠はありません。ここで初めて知ったのですが、潜望鏡は、右目しか写らないんですね。
隊員さんの居住区は、寝返りを打てないくらいのベッドが3段です。一応カーテンで仕切れますが、プライベートは厳しいですね。ちなみに、潜水艦に当館艦以外の偉い方が乗船してきても、一番良い部屋は、艦長が使用するそうです。なんとなく理解できるような気がします。食堂も、護衛艦などものと比較して半分以下8名程度が座れるくらいです。ここで、交代で、幹部10名、曹士10名が食事をとります。潜水艦は、いざ出港すると大体1ヶ月程度の任務につくそうです。つまり、24時間艦内にいるので、交代で食事を取るのに不自由はないそうです。また海上自衛隊の中でも潜水艦の中の食事はトップクラスに美味しいとか。
その後魚雷室へ行きました。3メートルくらいある魚雷が数本。実弾を装備しているそうです。一応、信管は抜いてあるそうです。1本なんと数億円。しかしこの魚雷、高価なようですが、非常に性能がよく、いざ命中すると護衛艦レベルなら一発、キティホークですら2発も命中すれば撃沈できるそうです。また、一言で言うと「テレビゲームのように」外しても、誘導して再度、命中させたりとかなり賢いものらしいです。
一ヶ月程度の任務につく潜水艦の隊員さんは、テレビも電話もラジオも聞けないとか。つまり海中にいるので、アンテナがない。また、電波の発信や潜望鏡を上げることは、イコール敵に対して、潜水艦の存在を知らしめる可能性があるためだそうです。だから、艦内ではトランプや読書程度しか娯楽がないそうです。また、他の艦船、航空機、潜水艦からの発見を防ぐため日常の生活音に大変神経を使うそうです。つまり、階段を上り下りする音、ドアを閉める音など可能な限り雑音を出さない訓練がされているそうです。一度でも、生活音(ドアを閉める音)を発した場合、対潜戦中の護衛艦などのソナー係員に見つかる可能性は大とか。訓練とはいえ、同じ海上自衛隊の対潜哨戒機や護衛艦同士でもかなりシビアな訓練をしているそうです。有事ではなく訓練なので、当然発見されても本当に爆雷などを投下されるわけではありませんが、詳細にその状況は記録され、帰港時には反省材料となるそうです。ちなみに艦内での靴は、幹部も含め運動靴を使用するとか。
■ おまけ
個人的に潜水艦の甲板とかに隊員さんが立っているのを見て「怖くないのかな?」とおもっておりました。で、質問してみました。すると下の画像の場所が一番怖いそうです。高いのと風が強いからとか。この場所へは、潜水艦内の潜望鏡のある発令所よこの通路から上がるのですが、下から拝見しましたがかなり高いマンホールを上がっていくような場所にあります。当然、手を離して落ちれば大怪我間違いなしというようなところでした。浮上航行中は、ここに見張りの隊員さんが立つそうですが、真冬は地獄とか。
ちなみに、羽?のところにラッパを持ってたつ隊員さんも見かけますが、あそこは腰紐をつけるのと高さがないので、意外と怖くないとか。